評価:殿堂入り
僕を本格的にゲーマーにした一作。
ゲームの黎明期にいろいろ挑戦的な作品だった。
当時ここまでストーリーに注力しているRPGは珍しく、知っている限りではメダロットシリーズ以外ゲームボーイでは存在しない。
そのメダロットシリーズの中でも4は個人的にもっともストーリーが練られていると思う。
主人公のイッキくんと同じ年代でプレイできたのも大きな点だけど、普通に感受性豊かな子は考え込むと思う。(僕は自由とは何か、本当の友情とは何かこのゲームをきっかけに20数年悩んでるよ!!)
なんでクワガタバージョンが2個あるのかって?
セーブデータ2個ほしいだろ。
購入のきっかけ
どこの電気屋さんだったかは忘れてしまったが、ゲーマーデビューして数年の僕はお年玉を握りしめてゲームを物色することに慣れ始めたころだった。
なんなら他の同年代の子よりずっと目利きだとすら思っていた。
安くて良作。隠れた良作を探すのが通だと思っていた僕は当時セールボックスの中や中古をあさることが多かったが棚差しされているゲームも確認は忘れない。
そんななんちゃって違いの分かるゲーマーだった僕が新品のゲームボーイソフトの棚に通りがかったとき面陳列されていたのがこのメダロット4だった。しかも1000円の値札が貼られていた。新品なのに。
僕は悩んだ。ちょっと、ロボだしなんかとっつきにくくないか?
僕はロボに乗るゲームはあんまり興味ないのだ。と思いつつパッケージ背面を確認。乗らなそうだ。なんならロボ小さい。ポケモンのロボ版か…?それならありか?
しかし、4だぞ。
4ということは3と2と1もあるってわけで。話ついていけるのか?
でも1000円だ。新品で1000円だ。
お年玉は4000円ある。普段なら新品は1本しか買えない(当時ゲームボーイのソフトは1本3000円程度)でもこれ1本買ってもまだ中古のゲームが買える。1000円なら失敗しても大丈夫では。
そうして買って帰って今も沼にいる。(ちなみに中古のゲームをもう一本買ったかは忘れた)
友達はみんなポケモンしてたからだれとも話題があわなかったぞ☆
良い点
- ストーリー
- BGM
- ボイス
- そのほかのこまごました部分
ストーリー
小学生の主人公が直面する悪の組織などの巨悪との闘いと同時に展開していく友達であるメダロットとの付き合い方。メダロット3原則(アシモフのロボット3原則とおおむね一緒だから気になる方は見てみてね。)がある限り本当の友情はないのではないか。メダロットは3原則があるかぎり自由ではないのではないかという葛藤が描かれていく。
自分が主人公と同年代のころにプレイしていたので、なんて深いことを考えているんだ!と衝撃を受けたのと同時に自分も主人公と一緒に考えていてなかなか『答え』が出せなかった。
ストーリー内で相棒のメダロットの考えも提示されるのできちんとイッキくんの悩みには決着がつく。
相棒のメダロットも自分の好きなメダルが選べるので各メダルごとにセリフが用意されててどのメダルと話しても感動する。
そもそもイベントが起きるゲームっていうのが当時珍しかった。ゲームボーイのRPGはポケモン一択みたいな時代だったからね。
BGM
メダロットのBGMは非常に良いというのはちょっとググればわかると思います。
普通に聞いててもシリアスな感がでていたりコミカルな感がしたりで非常にすぐれたBGMだし、これはゲームボーイの音源できくとさらに味がでる良曲である。
しかし、僕が言いたいのはそういう単純な曲の良さではない。
ぶっちゃけ僕は普段のゲームではBGMに興味はない。
なんなら「KILL THE FIGHT」と「toughboy」をニコニコやつべで流しながらゲームしてることも多い。そこらへんは個人の趣味だからFF14をしてる時もフレがこの曲いいわ~って言ってるのも( ´_ゝ`)フーンって聞いてる。(ちなみに僕は長年の14ちゃんプレイヤーだけど14の曲はあんまり好きじゃないから北斗の拳サントラとかかけてる極とかいくならその方がアガるぞ)
メダロットはめっちゃBGMが良い。僕も北斗の拳を流したりしない。
しかもバトル中のBGMを3つの中から選べるというのが最も衝撃的だった。
バトルのBGMが選べるってなに…? すごい。
いまだに他のゲームでBGMをプレイヤーに選ばせてくれるゲームには出会ったことがない。
ボイス
これはもうボイスがついてるのがすごい。
初めてプレイしたときは
ヒエエエエー シャ、シャベッター!!
って飛び上がった。
このころボイスのついてるゲームはそんなに多くなかった。
特にゲームボーイではこんなにいろんな声優さん使ってるゲームは珍しかったんじゃないかな。
うちのゲームもメダロット3,4 ポケモン黄、コロコロカービィ以外はボイスついてない気がする。
ヒカルさんの声がかっこよくてな…。アリカちゃんの声が可愛くてな…。
そのほかのこまごました部分
・説明書
説明書のなかに暗号メッセージが隠されててさ。冊子の説明書ならではの遊び要素だよねえ。
・主人公が学校に通ってる
他のゲームだと大体旅してるので主人公が普通に学校にいって授業の一環でロボトルしてっていうのがすごく新鮮だし親近感がわいた。学校さぼって冒険にいって親にばれてめっちゃ怒られるとかもね(笑)
・主人公が朝ごはん食べてから学校にいく
しかも食レポしてくる。ちょっとおいしそうなんよね。
・着替え要素
女装、海パン、和服ストーリーの都合上いろんな衣装に着替える。
女装は衝撃だった。4から順番にさかのぼったから3でも女装しててさらに衝撃を受けた。
他にもいろいろ男子トイレと女子トイレがしっかり作りこまれてるとか。ハンガーに海パンをかけて乾かすとか他のゲームでは省略されるようなことも描かれていてそれがリアリティや共感につながっていたなといまになって思うわけです。
いまだにギトギト海パンを調べようとして主人公に必死に拒否されるゲームはこれ以外に出会ったことないです。
悪い点
- 純正パーツだけで進むのは難しい
- 新規に優しくない
純正パーツだけで進むのは難しい
頭、両手、脚部を同じシリーズでそろえることを純正メダロット、純正パーツなどというのだが、攻略の都合上純正パーツのみで勝ち抜くよりキメラ(他シリーズのパーツをミックスして装着すること)にしてしまった方が戦闘面では有利になる。
しかし、ストーリーは純正で縛っていても勝てないわけではない。
僕は純正で組まないと気が済まない性質なのでキメラが生理的に受け付けなく必然的に純正縛りプレイになっていたがエンディングまでは行けた。(ストーリー上どうしてもキメラにする必要がある場面は除く)
しかし、サブ要素のメダ検がクリアできぬ。
最後のメダマスター試験が絶対に純正パーツでは勝てないと思う。
悲しいけど好きな機体で勝てるゲームではないっていうのが一番残念な部分だと思う。
新規に優しくない
完全に続き物で主要人物の人間関係はかんせいしてるので新たに入るプレイヤーはちんぷんかんぷん。
カリンちゃんがさらわれた!!っていわれても「そっかー、ところでカリンちゃんってだれ?」っていうのが当時の自分の感想だった。めっちゃやる気やなイッキくん…。と主人公とプレイヤーの温度差っていうのがゲームとしては危ういよねー。
このゲームは完全に今までのシリーズを支えてくれたファンをターゲットにしてるんだろうから間違いではないし、このゲームから初めてシリーズをさかのぼってみごと20年沼に浸かってる僕みたいなんもいるから不満!!ってわけじゃないけど。これからプレイしてみたいなって思うなら2か3は予習してからのほうが4はストーリーに入りやすいと思うな
今からプレイする場合
メダロットシリーズでプレイするなら3DSとスイッチでメダロットクラシックスという1~5までの全部盛ソフトがでてるのでそっちを買うのをおすすめ。スイッチ版のクラシックス+にはアドバンスの「navi」「G」「弐CORE」も収録されているし、3DS版できつかったミニゲーム系の連打補助などがついているので今からプレイするならスイッチ版のほうがおすすめですね。
いや、できるならね。GBが至高なのでそっちでやってほしいけどね!!!